$43.51
- Hardcover
- 128 pages
- 262 x 225 mm
- ISBN 9784865412079
- Japanese, English
- Aug 2025
青いシートが覆う風景を30年にわたって撮り続けた、小林のりおの代表作。
崩壊と再生の狭間に現れる"青"が、日本の風景の記憶と現在を照らし出す。
『Japanese Blue』は、写真家・小林のりおが1991年から2024年にかけて撮影を続けてきた、ブルーシートのある風景を主題とするシリーズです。都市の造成地や郊外の斜面、屋根や廃棄物の上など、仮設的で匿名の場所に掛けられた人工の青。その光景を30年にわたり記録した本作は、変わりゆく日本の風景と、人為と自然の関係を見つめる小林の代表的な仕事のひとつです。
初期は中判・大判のフィルムカメラで、近年はデジタルカメラで撮影され、青の面積や質感の変化が時代の推移とともに現れます。1990年代初頭に雑誌『アサヒカメラ』で発表されて以来、長らく語り継がれてきたシリーズが、初めて一冊にまとめられました。
笠間悠貴(写真家・写真研究者)による寄稿文「ペオニーブルーの残余」は、ブルーシートという人工物が、日本の風景における"バグ"として、自然と人工、過去と未来の境界を撹乱する存在であることを論じています。
本書は、雪の残影を追った前作『Cluster of Dreams』と対をなす構成をもち、崩壊と循環、記録と再生をめぐる思索の円環を描き出します。
小林 のりお
1952年 秋田県大館市生まれ。日本歯科大学を中退、東京綜合写真専門学校を卒業し、フリーに。1975年より国内外にて個展・企画展を多数開催。写真家として活動するかたわら、東京線合写真専門学校、日本写真芸術専門学校、東京造形大学、東北芸術工科大学、武蔵野美術大学などで非常勤講師を務める。2007年より2023年まで武蔵野美術大学映像学科教授。現在、武蔵野美術大学名誉教授。作品は国内だけでなく、アメリカや中国の美術館にも収蔵されている。
1987年 写真集『LANDSCAPES』にて日本写真協会新人賞、1993年 写真集『FIRST LIGHT』にて木村伊兵衛写真賞を受賞 。











 
      




























