星玄人による『口笛』以来のカラー写真集。2014年以降に撮影した作品を中心に、作家が自らセレクトし、編集した貴重な一冊である。カメラを手に新宿を主に、時々渋谷や六本木、銀座などへ通いながら、星は東京の様々な顔を焼き付けた。写真の中に写っているこの街は夜の巨大な舞台だ。そこに登場する人々の物語は、歓声と懐かしさの裏に潜む路地裏の暗がりへと溶け込み、見る者を本書のタイトル「Trippy」のような現実と幻の間にある曖昧な境界線に引き込む。