1920年代・大大阪時代 ものまねでない「真の日本人の油絵」に挑んだ男

大阪の裕福な商家に生まれた小出楢重(1887-1931)。東京美術学校のアカデミスムに違和感を覚え、渡欧ではセザンヌ、ゴッホ以降のパリに失望し帰国。油絵の本質を自らの血肉にしようとライフスタイルを西洋式に変えながら、「真の日本人の油絵」を追求。仲間と研究所を開設し関西圏の油彩画普及に大きく貢献。趣味人としてガラス絵、日本画、装幀を手がけ、随筆の名手としても知られる。

本書は、生れながらに大阪の旦那衆的感覚をもつ画家が、大阪・芦屋という関西エリアで暮らし、思いのままに自分の人生を生きた姿を作品と言葉で綴る画文集。